総務部sawaの生活防衛実践記

総務部歴20年で培った「制度を正しく活用する知識」と「その実践の記録」を発信しています。

第6回:60歳での出口戦略(エグジット)。独立資金への転換と、80歳「家族法人」へと引き継ぐ資産のバトン

資産形成において、多くの人が「積み立て方」には熱心ですが、「出口(受け取り方)」の戦略については驚くほど無頓着です。しかし、出口戦略こそが、それまで15年、20年と積み上げてきた努力の結果を左右する、生活防衛の最終試験と言えます。

現在45歳の私のゴールは、単に資産を増やすことではありません。60歳での社労士・行政書士としての独立を円滑に進め、さらにその20年後の「80歳での家族法人設立」という壮大なビジョンへ、いかに効率よく資産のバトンを渡すか。そのためのエグジット戦略を、総務プロの視点で解説します。

 

iDeCoの受け取り方。退職所得控除と公的年金等控除を極限まで使い倒す税務ロジック

iDeCoは受け取り時に「一時金」か「年金」かを選択できますが、この選択ひとつで手取り額が数十万円単位で変わります。私は、60歳での退職・独立のタイミングを捉え、まずは「退職所得控除」を最大限に活用して一時金として受け取るシミュレーションを行っています。

長年勤務してきた会社の退職金と、iDeCoの受け取り時期をあえてずらす、あるいは合算して枠内に収める。この税務ロジックを使いこなすことは、社労士・行政書士として独立後の顧客へ提供するサービスの「予行演習」でもあります。税制の歪みを味方につけ、1円でも多く手元に残す。これが実務家のエグジットです。

NISAの取り崩しルール。独立初期の「魔の3年間」を配当金と定率売却で乗り切る

60歳で独立した直後は、事業が軌道に乗るまでの「魔の3年間(無収入・低収入期間)」を想定しなければなりません。ここでは、第3回で解説したNISAの「サテライト(高配当株)」が威力を発揮します。

株を売却することなく、配当金(インカムゲイン)で生活費の一部を補填する。さらに、どうしても不足する分は、80歳へ向けた「コア(インデックス資産)」から、資産寿命を延ばすために「定率」で機械的に取り崩します。感情を排除し、事前に決めたルールに則って資産を現金化していくことで、独立初期の精神的な焦りを排除します。

すべては80歳のアグリビジネスへ。時間と資産のポートフォリオの最終形態

資産のバトンは、最終的に80歳での「家族法人」へと引き継がれます。米や野菜を育て、加工販売するアグリビジネス。これは単なる趣味ではなく、次世代へ「事業」と「資産」を健全な形で残すための仕組みです。

45歳の今の「守りと攻めの投資」は、すべてこの未来に繋がっています。NISA・iDeCo、そして現預金。これらを駆使して、60歳の独立という難所を越え、80歳の楽園へ到達する。この壮大な人生のシミュレーションこそが、私たちが資産運用を行う真の目的なのです。

 

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