第2回で解説したiDeCoによる強固な「守り」の基盤が整ったら、次はいつでも引き出し可能なNISAを活用した「攻め」の戦略に入ります。しかし、ここで多くの投資家が陥る罠があります。
それは、将来の資産最大化(投資効率)ばかりを追い求め、NISAの枠をすべて「インデックスファンドの再投資」で埋め尽くしてしまうことです。結果として、画面上の資産額は増えても手元で使える現金は一切増えず、今の生活の質(QOL)が全く向上しないというジレンマに陥ります。投資はあくまで人生を豊かにするための手段であり、「今」を犠牲にしては本末転倒です。
コア(つみたて投資枠)とサテライト(成長投資枠)の役割分担
このジレンマを解消するため、私は新NISAの制度を「コア(中核)」と「サテライト(衛星)」に明確に分けて運用しています。
投資信託を毎月定額で買う「つみたて投資枠」をコアとし、個別株などが買える「成長投資枠」をサテライトとして位置づけるハイブリッド戦略です。この2つは、投資の目的も時間軸も全く異なります。
インデックスは80歳の家族法人へ向けた超長期の複利マシーン
まず、コアとなる「つみたて投資枠」では、全世界株式などのインデックスファンドを淡々と買い増します。こちらの目的は、分配金を受け取らずにファンド内で再投資させ、雪だるま式に資産を増やす「複利効果の極大化」です。
この資金は、60歳の独立時すらも通過点とし、最終的な目標である「80歳でのアグリビジネス(家族法人)設立」へ向けた超長期の資金として運用します。日々の値動きは一切気にせず、ただ放置するだけの「複利マシーン」です。
JTなどの高配当株。インカムゲインで日々のQOL向上(レジャー・芝生の手入れ)をブーストする
一方で、サテライトとなる「成長投資枠」では、日本たばこ産業(JT)などに代表される日本の大型高配当株へ投資します。こちらの目的は資産の最大化ではなく、定期的に口座へ振り込まれる「配当金(インカムゲイン)」を得ることです。
【sawaの実体験・所感】
私はこれまで株式の配当金をいくつか受け取っています。日本たばこ産業(2914)、三菱HCキャピタル(8593)、NTT(9432)、MS&AD、日本触媒(4114)、商船三井(9104)など。これらは先述したギャンブル要素満載の投資の合間に、何の戦略性もなく権利付最終日に現金があったら株式を買ってみる、ただそれだけでしたが、数か月後には銀行口座に配当金が振り込まれた金額は、当時の手取り給与の半分程度はあり、その金額に驚きを隠すことは出来ませんでした。あの時にギャンブル投資から距離を置き、高配当株投資に切り替えておけば・・・、と悔やむこともありますが、私の性格上、失敗を体で感じてみないと分からないので、早めに失敗を経験してよかったと思うようにしています。
いよいよ明日から、家族5人で軽井沢へ2泊3日の旅行へ出発し、早朝のランニングや自然の中でのアクティビティを楽しんできます。また、休日に茨城の自宅の庭で芝生の手入れ(肥料やメンテナンス)に没頭する時間も、私にとってかけがえのないものです。
高配当株から得られるインカムゲインは、将来のためではなく、こうした「今のQOL」を上げるためのレジャー費や趣味の資金として、遠慮なく使い切ります。遠い未来の資産形成と、今の生活の充実。この両輪を回してこそ、ストレスのない持続可能なポートフォリオが完成するのです。
では、NISAの枠を埋めるための投資資金はどこから捻出すべきか。次回は、従業員持株会の会社員だからこそ使える「持株会」という強力な制度の裏側と、その出口戦略について解説します。